五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節周囲の炎症や痛みを伴う状態です。理学療法士の視点から、五十肩に効果的な科学的根拠に基づいた、五十肩に対する効果的なストレッチの3つの方法をご紹介します。
肩関節の外旋ストレッチ
肩関節の外旋ストレッチは、肩関節前面の筋肉や靭帯の柔軟性を向上させ、痛みや運動制限を緩和するのに効果的です。
手順:
- 立位または座位で、腕を90度に曲げます。
- 腕をしめて、痛みの出ない範囲で腕を開きます。
- 背中を反らさず、肩甲骨を寄せるように意識します。
- 適度な伸張感を感じる範囲で保持し、15〜30秒間キープします。
このストレッチは、内側の肩関節内旋筋を伸ばしたり、肩甲骨を動かすことで、肩関節の可動域を改善します。これにより、痛みや運動制限が軽減されると考えられています。
タオルを使った肩のストレッチ
このストレッチは、五十肩による痛みや運動制限を緩和するために推奨されるストレッチ方法の一つです。
手順:
- 立位または座位で、タオルを丸めて両手で握り前へ突き出します。
- ゆっくりと左右に交互にひねります。
- 胸と顔は正面を向いたままにしましょう。
- 肩甲骨に適度な伸張感を感じたら、15〜30秒間キープします。
- 元の位置に戻し、反対も同様の手順を繰り返します。
このストレッチは、肩甲骨の内側の筋肉を伸ばし、肩関節の可動域を向上させる効果があります。これにより、五十肩による痛みや運動制限を改善すると考えられています。
タオルを使った両手挙上ストレッチ
このストレッチは、肩関節周囲の筋肉の柔軟性を向上させ、五十肩による痛みや運動制限を軽減するための効果的なストレッチ方法です。
手順:
- 立位または座位で、両手でタオルを握って真っすぐ前に腕を伸ばします。
- 腕を伸ばしたまま真上に持ち上げます。
- 上げたまま15〜30秒間キープします。
- 元の位置に戻し、腕を休めた後に同様の手順を繰り返します。
このストレッチは、肩甲骨周辺の筋肉を伸ばすことで、肩関節の可動域を向上させます。これにより、五十肩による痛みや運動制限を軽減する効果が期待されます。
まとめ
これらのストレッチは、肩関節の可動域を広げ、痛みを軽減し五十肩を改善する取り組みの一部となります。
ストレッチは一時的な対策ではなく、日々の習慣として行うことでその効果が最大化します。特に、筋肉が冷えている状態でストレッチを行うと筋肉を損傷する可能性があるため、お風呂あがりなど温まった後にストレッチを行うことより効果的です。
また、どのストレッチも無理なく、自身の身体の範囲内で行ってください。ストレッチ中に痛みを感じた場合や、症状が悪化する場合はすぐにストレッチを止め、医者や理学療法士など専門家に相談してください。
五十肩の症状には個人差がありますので、上記のストレッチすべてが全ての人に適しているわけではありません。あなた自身の症状に合わせて、最適なストレッチを選んでください。
それぞれのストレッチを習慣化することで、五十肩の再発予防につながります。また、筋肉の柔軟性を保つことで、より良い生活品質を実現することができます。健康な肩のために、これらのストレッチを日常生活に取り入れてみてください。